尖閣諸島(沖縄県石垣市)問題や安倍晋三首相(59)の靖国神社参拝などをめぐって
反日感情が高まる中国だが、若者の間に広がった日本のアニメ人気は一向に衰えを
みせていない。アニメ番組を見るだけではなく、アニメ声優の熱烈なファンやアニメ登場人物の
模型愛好者など、マニアックな層も急増している。
■声優招きイベント
「お会いできて本当に感激です!」。上海市内の劇場で1月25日に開かれた日本のアニメ声優を
招いたイベント。終了後の握手会でお目当ての声優、関智一(ともかず)さん(41)と日本語で
会話した中国人女性は、「関本命」と背中に大きくプリントしたTシャツを見せてサインをねだった。
関さんは「ドラえもん」のスネ夫役や「機動武闘伝Gガンダム」の主人公ドモン・カッシュ役などで
知られる。この日は脚本や演出も手がける声優の浅沼晋太郎さん(38)と2人でステージに立ち、
大半が女性のファン約200人を前に2時間近く日本アニメ談議を繰り広げ、アニメ番組の主題歌なども歌った。
イベントに参加した上海在住の女性、張怡寧(ちょう・いねい)さん(23)は、「子供のころから
自分の好きなアニメの声はどんな人が演じているのかに興味をひかれ、日本語も自分で必死に
勉強しました」と目を輝かせた。中国のアニメファンは日本語能力が高く、この日のイベントでも
通訳が中国語に訳すまでもなく、来場者たちはボケやツッコミにもすぐ反応し、笑いにつつまれていた。
イベントを企画したのは北京の有名校、清華大学のアニメサークル「次世代動漫社」だ。動漫は
アニメの意味で、サークルには卒業生を含め600人のメンバーがいる。清華大で電気工学を学んで
博士号を得たOBの于智為(う・ちい)さん(32)は、「日中関係の悪化でここ数年、イベント開催には
問題も生じたが、上海では民間劇場で開催できたのがうれしい。われわれが大好きなアニメに
国境などない」と話した。于さんもアニメをきっかけに独学で日本語を習得した一人だ。
■政治的問題も影響せず
上海では今回、イベント会社の力を借りた。ネットで昨年(2013年)12月、このイベントの入場券を
売り出したところ、握手会への参加とサインがもらえる限定60枚のチケット(598元=約1万円)は
一瞬で売り切れ。最も安い席(280元=約4700円)もその日のうちに売り切れたという。
于さんによると、この日のイベント参加のために、北京など北部や広東省広州など南部から
上海までやってきたファンもいた。握手会では、あこがれの声優に直接会えたことで、
泣き崩れながらも興奮気味に日本語で話しかける中国人の女の子が何人もいた。
于さんらは3月に、日本から有名なアニメソングの歌手を上海に招き、大がかりなコンサートを開く計画を進めている。
上海では昨年(2013年)10月から今年1月15日まで、精密模型で知られる日本の海洋堂が
制作したフィギュアを集めた展示会が開かれ、親子連れなどでにぎわった。日本の人気マンガ
「北斗の拳」主人公の等身大フィギュアや、小さな恐竜の模型まで大小約4000点が並んだ。
関係者によると展示会の開催には準備に3年かかったが、「(日中関係の悪化など)政治的な
問題の影響はなかった」という。
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につづく)
http://www.sankeibiz.jp/express/news/140207/exf14020711190002-n1.htm
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